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警備員の採用がうまくいかない3つの理由と直し方

数字で見る実測データあり採用単価・お金

2026年8月24日|はやぶさ採用編集部

「求人にお金をかけているのに、応募がこない」。警備会社の経営者から、いちばん多く聞く悩みです。ところが実際に採用の数字を1件ずつ調べていくと、問題は「集め方」だけではないことがほとんどです。

応募はゼロではないのに面接まで来ない。面接の約束をしたのに当日現れない。せっかくの応募が、途中でぽろぽろとこぼれ落ちている。広告費を増やす前に、この「こぼれ」を止めるほうが先です。バケツに穴が開いたまま水を注ぎ足しても、たまらないのと同じです。

この記事では、私たちが親会社の警備会社で実際に体験した失敗と、その直し方を3つにまとめます。どれも特別な道具はいりません。明日から手を付けられることばかりです。

この記事の要点
  • 応募が来ない原因の多くは「求人の文章が誰向けか決まっていない」こと。相手別に複数つくって出し比べる。
  • 求職者は平均8.8社に応募している。先に電話がつながった会社が面接まで連れていく。
  • いちばん大きな穴は「面接の約束をした人が当日来ない」こと。前日・当日のひと声で大きく変わる。
  • 直す順番は「落とさない」が先、「集める」は後。広告費を増やすのは穴をふさいでから。

理由1:求人が「誰に向けた文章か」決まっていない

警備員に応募する方は、一枚岩ではありません。年齢の不安を持つシニアの方、日給や日払いを重視する方、日勤だけで働きたい方、家庭と両立したい女性の方。刺さる言葉は相手ごとに違います。

ところが多くの求人は、誰に向けて書いたのか分からない「全員向け」の文章になっています。「未経験歓迎」「アットホームな職場」「頑張り次第で昇給」。どれも嘘ではありませんが、読んだ人が「これは自分のことだ」と感じる言葉がひとつもありません。全員に向けて書いた文章は、結局誰にも刺さらないのです。

広告を7種類つくって分かったこと

私たちが親会社で広告を7種類つくって同時に出し比べたところ、いちばん応募が多かったのは「シニア・年齢の不安をなくす」訴求でした。「60代からでも大丈夫ですか」という不安に、正面から答える文章です。1種類だけ出していたら、この結果は永遠に分かりませんでした。

大事なのは、当たりの訴求を「予想」で決めないことです。私たちも出す前は、日給の高さを打ち出した広告がいちばん強いだろうと考えていました。ふたを開けたら違いました。どの言葉が刺さるかは、出してみるまで分かりません。だからこそ、1本に賭けるのではなく、複数出して数字で選ぶのです。

直し方の手順

手順は3つです。まず、自社に来てほしい人を2〜3種類に分けます(例:シニアの方、日払い重視の方、日勤希望の方)。次に、それぞれの人が持っている不安や希望に答える文章を、相手別に書きます。最後に、同時に出して応募数をくらべ、数字が良いものを残します。文章の具体的な書き方は、求人票の書き方(シニア・女性・若手)の記事で詳しく説明しています。

直し方:求人や広告は1本に絞らず、相手別に複数つくって出し比べる。数字で当たりを選ぶ。

理由2:応募への連絡が遅い

求職者は平均8.8社に応募し、実際に面接を受けるのは3.6社です(マイナビ「転職動向調査2024年版」)。つまり応募が来た時点では、まだ半分も勝っていません。応募者から見れば、御社は8社のうちの1社にすぎないのです。先に電話がつながった会社が、面接まで連れていきます。

応募した直後の人は、気持ちがいちばん温かい状態です。ところが2日、3日と連絡がないと、その間に他社の面接が決まっていきます。1週間後に電話をかけたら「もう決まりました」と言われた。そんな経験はないでしょうか。応募が悪いのではなく、こちらの初動が遅かっただけです。

なぜ連絡が遅くなるのか

連絡が遅れる理由は、たいてい「悪気のない構造」です。応募の通知メールを見るのが1日1回。電話をかける担当が現場に出ていて日中つかまらない。夜の応募は翌朝まで誰も気づかない。つまり、担当者が怠けているのではなく、「すぐ連絡する」を支える仕組みがないのです。仕組みがなければ、忙しい現場では後回しになるのが当たり前です。

私たちは応募から5分以内の電話を目標にする仕組みを入れました。実際の記録では、応募から13分で最初の電話をかけられています。電話に出ない方にはSMSとLINEで追いかけます。応募の電話にそもそも出られていない、という会社も多いので、心当たりがあれば応募電話に出られない損の記事もあわせてお読みください。

見落としがちなのが、夜間や休日の応募です。求職者が求人を見るのは、仕事が終わった夜や休みの日が中心です。つまり応募は、事務所に誰もいない時間にこそ届きます。夜のうちに「お申し込みありがとうございます。明日の朝にお電話します」と自動で返信が届くだけでも、応募者の受け取り方は変わります。朝いちばんに電話する順番を決めておけば、翌朝の初動も速くなります。

直し方:応募から最初の連絡までの「分数」を測る。測っていない会社は、まずそこから。

理由3:面接の約束をした人が、当日来ない

意外に思われるかもしれませんが、採用の数字でいちばん大きな穴はここに開いています。面接を約束した方の3〜4割が当日来ない、という警備会社は珍しくありません。私たちの親会社でも、仕組みを入れる前は面接約束の約4割が当日不参加でした。

「約束を破るような人は、どうせ採っても続かない」と考えたくなります。しかし、面接に来ない理由の多くはもっと単純です。日時をうろ覚えだった。場所が分からなかった。前日に不安になったが、聞ける相手がいなかった。連絡ひとつで防げたはずの不参加が、大半を占めます。

応募を1人増やすには広告費がかかります。しかし、約束済みの方に前日と当日にひと声かけるのは、電話1本です。どちらが安いかは明らかです。

例えば、同じ100人の応募だとして。面接に来る人数はこう変わります
よくある状態
13人
仕組みを入れた状態
29人

※これは実際に測った数字ではありません。広告費60万円で100人の応募があった場合を想定した、考え方を示すための試算です。

リマインドのやり方は難しくありません。前日の夕方に「明日の面接、お待ちしています。場所はこちらです」と連絡し、当日の朝にもう一度ひと声かける。電話がつながらなければSMSやLINEで送る。それだけです。来なかった方にも、あきらめずに「別の日にしませんか」と再設定の連絡をします。一度来なかった方が、日を改めて面接に来て採用に至ることは、実際によくあります。当日不参加を減らす工夫は、面接ドタキャンを減らすの記事でさらに詳しく紹介しています。

直し方:面接の前日・当日のリマインドを仕組みにする。来なかった方も、あきらめずに再設定の連絡をする。

3つの理由に共通する根っこ

ここまでの3つを並べると、共通点が見えてきます。どれも「お金の問題」ではなく、「決めていない・測っていない」問題だということです。誰向けの求人か決めていない。連絡までの分数を測っていない。リマインドの手順を決めていない。逆に言えば、決めて測れば直ります。

3つの詰まりポイントと、見るべき数字
理由1 求人の文章
見る数字:訴求ごとの応募数
直し方:相手別に複数出して比べる
理由2 初動の速さ
見る数字:応募から連絡までの分数
直し方:当日中の電話+SMS・LINE
理由3 当日不参加
見る数字:面接の実施率
直し方:前日・当日のリマインド

採用は「集める→落とさない→決める→迎える」の掛け算です。どこか1つがゼロに近ければ、全体もゼロに近づきます。そして多くの警備会社で詰まっているのは「集める」ではなく「落とさない」です。私たちの親会社では、この落とさない仕組みを整えた結果、採用単価が約30万円から約3〜4万円まで下がり、月6名を採用できる状態になりました。広告費を増やしたのではなく、こぼれを止めただけです。採用単価の考え方は採用単価の計算と下げ方の記事にまとめています。

明日からできる直し方の手順

「全部いっぺんには無理だ」という方のために、取り組む順番を示します。ポイントは、直すより先に測ることです。現状の数字が分からないと、直った実感も持てないからです。

最初の1週間:数字を3つだけ測る

ノートでもホワイトボードでも構いません。①応募が何件来たか、②応募から最初の連絡まで何分かかったか、③面接の約束のうち何人が実際に来たか。この3つを毎日書き留めます。パソコンが得意でなくても、正の字で数えれば十分です。

2週目以降:いちばん大きい穴からふさぐ

数字が見えたら、いちばんこぼれている場所から手を付けます。全部を同時に直そうとすると、どれも中途半端になりがちです。穴は大きい順に、1つずつふさぎます。面接の実施率が低いなら、まず前日・当日のリマインドを始めます。連絡までの分数が長いなら、「応募が来たら誰が・いつまでに電話するか」を1行のルールにして貼り出します。応募そのものが少ないなら、求人の文章を相手別につくり直します。

1か月後:数字を見くらべる

1か月たったら、最初の1週間の数字とくらべます。面接に来る人数が増えていれば、やり方は合っています。変わっていなければ、別の穴を疑います。応募はあるのに面接につながらない場合の原因は、応募が面接につながらない共通点の記事が参考になります。

よくある質問

Q.求人媒体を変えれば応募は増えますか?

媒体を変えて増えることもありますが、文章がそのままなら、たいてい結果も変わりません。先に「誰向けの文章か」を直し、初動と面接実施の穴をふさいでから媒体を検討するほうが、同じお金で採れる人数が増えます。

Q.日中は現場に出ていて、すぐ電話できる人がいません。

多くの警備会社が同じ状況です。まずは「気づいたら当日中に必ず折り返す」を最低ラインのルールにし、出られない時間帯はSMSやLINEで「お電話します。ご都合の良い時間を教えてください」と先に一報を入れるだけでも、放置とは大きな差が付きます。

Q.前日・当日の連絡は、しつこいと思われませんか?

心配される方が多いのですが、実際は逆です。応募者にとって面接前は不安な時間です。場所や持ち物を添えた連絡は「ちゃんとした会社だ」という安心につながります。しつこさよりも、連絡が何もないことのほうが不安を生みます。

Q.社員数名の小さな会社でもできますか?

できます。この記事の直し方は、道具よりも「決めごと」が中心です。電話1本、SMS1通、ノート1冊から始められます。むしろ小さな会社ほど決めごとが浸透しやすく、効果が早く出やすいと感じています。

Q.採用の数字は、何から測ればいいですか?

まずは3つで十分です。応募数、応募から最初の連絡までの分数、面接の実施率(約束した人のうち来た人の割合)。この3つが見えるだけで、自社のどこに穴があるかはほぼ分かります。

Q.自社でやる余裕がありません。外部に頼めますか?

頼めます。ただし「人材紹介」と「採用代行」では、お金のかかり方も任せられる範囲も違います。違いを知らずに契約すると割高になることがあるので、人材紹介と採用代行の違いの記事を読んでから検討することをおすすめします。

まとめ:採用は「集める→落とさない→決める→迎える」の掛け算

採用がうまくいかない理由は、①求人が誰向けか決まっていない、②応募への連絡が遅い、③面接の約束をした人が当日来ない、の3つに集約されます。どこか1つが詰まると、手前の努力はぜんぶ無駄になります。そして多くの警備会社で詰まっているのは「集める」ではなく「落とさない」です。

次の一歩は、広告費の追加ではなく、応募数・連絡までの分数・面接の実施率の3つを1週間測ることです。数字が見えれば、直す場所はおのずと決まります。

自社がどこで詰まっているか分からない場合は、無料の警備採用診断で数字を一緒に見ることから始めてください。

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