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「面接単価」で考える——応募数より大事な数字の話

数字で見る採用単価・お金面接

2026年8月26日|はやぶさ採用編集部

「今月は応募が20件来ました」。この報告、良い知らせに聞こえますが、実は何も分かっていません。20件のうち何人と電話がつながって、何人が面接に来たのか。採用は面接からしか生まれません。だから広告費は「応募1件あたり」ではなく「面接1回あたり」で見る——これが面接単価の考え方です。

応募数だけを見ていると、数が増えれば喜び、減れば媒体を責める。それだけで1年が過ぎてしまいます。ところが応募が増えても、面接に来る人が増えていなければ、採用は1人も増えません。逆に応募が半分でも、面接に来る人が倍になれば、採用は前に進みます。見るべき数字を1つ変えるだけで、お金のかけ方も、日々の動き方も変わります。

この記事では、面接単価の計算のしかた、応募単価だけを見ていると判断を誤る理由、そして面接単価を下げる具体的な手順を、順番に説明します。難しい計算は出てきません。電卓が1つあれば今日から始められます。

この記事の要点
  • 面接単価=広告費÷面接に来た人数。採用は面接からしか生まれないので、応募数より先にこの数字を見る
  • 応募単価が安い媒体が、面接単価では一番高い媒体だった——ということが普通に起きる
  • 下げ方は「分母を増やす(応募→面接の歩留まりを上げる)」と「分子を絞る(効かない出費をやめる)」の2方向。順番は歩留まりが先
  • 会議の報告を「応募数・面接数・採用数」の3点セットに変えるだけで、会社全体の目線が変わる

面接単価とは:広告費÷面接に来た人数

計算はかんたんです。今月の求人にかけた費用を、実際に面接に来た人数で割るだけ。例えば広告費10万円で応募が20件なら、応募単価は5,000円です。でも面接に来たのが2人なら、面接単価は5万円。同じ10万円でも、「応募を20件買った」と見るか「面接を2回買った」と見るかで、景色がまったく違います。

なぜ面接で割るのか。理由は単純で、応募のままでは採用が1人も生まれないからです。書類だけで採用を決める警備会社はまずありません。会って、話して、人柄を見て、初めて採用が決まる。つまり面接は採用の一歩手前にある「本番前夜」の数字です。ここまでたどり着いた人数で費用を割ると、広告費が採用にどれだけ近づいたかが分かります。

数え方の決まりを先にそろえる

数える前に、社内で決まりを1つそろえてください。「面接の約束をした人数」ではなく「実際に面接に来た人数」で数える、という決まりです。警備業では面接の約束をしても当日来ない人が多く、私たちの親会社の警備会社では、約束した人の約4割が当日来ないという実測がありました。約束の人数で数えると、単価が実態より良く見えてしまいます。数えるのは「来た人」。これだけは全員でそろえましょう。

集計は月ごと・媒体ごとが基本です。求人サイトごと、チラシ、ハローワーク経由など、入り口ごとに「かけた費用」と「面接に来た人数」を書き出す。表計算が苦手なら紙でかまいません。1か月分なら10分で終わる作業です。

応募単価だけ見ると、お金の置き場所を間違える

面接単価を媒体ごとに出すと、「応募は多いが面接に来ない媒体」と「応募は少ないが会える媒体」がはっきり分かれます。例えば、こんな架空の例で考えてみます。媒体Aは5万円かけて応募10件、応募単価は5,000円。媒体Bは同じ5万円で応募5件、応募単価は1万円。応募単価だけ見れば、Aの圧勝です。ところが面接に来たのがAは1人、Bは3人だったとすると、面接単価はAが5万円、Bが約1万7,000円。順位が逆転します。応募単価で判断してAに予算を寄せていたら、高いほうにお金を積んでいたことになります。

なぜこんな逆転が起きるのか。応募のしやすさと、本気度は別だからです。ボタン1つで応募できる媒体は応募数が伸びやすい一方、「とりあえず押した」人も混ざります。マイナビ転職動向調査2024年版によると、転職した人は平均8.8社に応募し、面接まで進んだのは3.6社。つまり応募者側から見ても、応募は「候補の1つ」にすぎないのが普通なのです。応募=入社希望と思い込むと、数字の読み方を誤ります。

だからこそ、媒体の良し悪しは「会えたかどうか」で測る。応募単価は参考値、面接単価が本命。この順番で見るだけで、来月の予算の置き場所が変わるはずです。

面接単価を下げる2つの方向

面接単価の下げ方は2方向
分母を増やす
応募→面接の歩留まりを上げる。折り返しの速さ・追いかけ・前日のひと声
分子を絞る
面接につながらない媒体・原稿への出費をやめて、効く場所に寄せる

面接単価は「広告費÷面接に来た人数」ですから、下げる方法は理屈のうえで2つしかありません。割る数(面接に来た人数)を増やすか、割られる数(広告費)を減らすか。どちらから手を付けるべきかというと、先に分母、つまり歩留まりです

私たちの親会社の警備会社では、面接の約束をした人の約4割が当日来ないという実測から出発し、応募から13分での電話と追いかけの仕組みで歩留まりを立て直しました。その結果、採用単価は約30万円から約3〜4万円まで下がりました。広告費を増やしたのではなく、すでに来ていた応募を面接まで運べるようにしたのです。歩留まりに穴が開いたまま広告費を積むのは、穴の開いたバケツに水を注ぎ足すのと同じです。まず穴をふさぐ。順番はいつもこちらが先です。

分母を増やす:応募から面接までの歩留まりを上げる手順

手順1:折り返しは「今すぐ」。速さがいちばん効く

応募が来たら、その日のうち——できれば数分以内に電話をかけます。親会社の実測では、応募から13分で初回電話をかける体制にしたことが立て直しの起点でした。先ほどのマイナビの調査のとおり、応募者は平均8.8社に応募しています。先に会う約束を取った会社が、そのまま先に採用します。応募が面接につながらない会社に共通する原因は応募が面接につながらない会社の共通点で詳しく書きましたが、いちばん大きいのはこの「折り返しの遅さ」です。

手順2:面接日はなるべく近い日に入れる

電話がつながったら、面接日は最短の日を提案します。「来週の都合の良い日に」と相手任せにすると、その1週間のあいだに他社が先に会ってしまいます。「明日の15時か、あさっての10時はいかがですか」と、こちらから近い日を2つ出す。日程が近いほど、当日来てもらえる割合も上がります。

手順3:前日のひと声で「忘れ」と「気後れ」を減らす

面接の前日に、短い連絡を1本入れます。「明日の15時、お待ちしています。場所は○○です。気を付けてお越しください」。これだけです。当日来ない理由の多くは、忘れていたか、気持ちが冷めたか、場所が不安だったか。前日のひと声は、その3つに同時に効きます。電話が苦手な応募者も多いので、SMSやLINEの文面でもかまいません。具体的なやり方は面接のドタキャンを減らす方法にまとめてあります。

手順4:つながらなかった人を追いかける

1回の電話でつながらなくても、そこで終わりにしない。時間帯を変えて2回目、3回目をかけ、あわせてSMSで「お電話しました。ご都合の良い時間を返信ください」と残す。応募者は仕事中で出られないだけ、ということがよくあります。追いかけの回数と時間帯を決めておくと、担当者ごとのばらつきもなくなります。

分子を絞る:効いていない出費をやめる手順

歩留まりの手を打ったら、次は出費の整理です。ここで役立つのが、媒体ごとの面接単価の表です。3か月分を並べて、面接単価が飛び抜けて高い媒体、そもそも面接が0人の媒体を確かめます。1か月だけだとたまたまの月がありますから、判断は3か月分まとめてが目安です。

やめる前に、1つだけ確かめてください。媒体が悪いのか、原稿が悪いのか、です。同じ媒体でも、写真と仕事内容の書き方を変えるだけで応募の質が変わることがあります。給与や勤務地などの条件がぼやけた原稿は、「とりあえず応募」を集めやすく、面接につながりにくい。原稿を直しても3か月変わらなければ、その媒体は思い切って止め、浮いた費用を面接単価の安い媒体に寄せます。やめる勇気も、面接単価が根拠をくれます。感覚で「なんとなく続けている」出費が、いちばんの無駄です。

会議の報告様式を変えるだけでいい

今月から、採用の報告を「応募数」だけでなく「応募数・面接数・採用数」の3点セットにしてください。様式が変われば、自然と全員が歩留まりを見るようになります。「応募20件です」で終わっていた報告が、「応募20件、面接5人、採用1人です」に変わると、「面接5人は先月より増えたか」「どの媒体から来たか」と、会話の中身が勝手に深くなります。記録の取り方は採用管理をエクセルでやる限界と記録のはじめ方で書いたとおり、1人1行・5つの日付で十分です。

1つだけ注意があります。この数字は、担当者を責める道具にしないこと。歩留まりが低いのは、たいてい人ではなく仕組み(折り返しの体制、面接日の入れ方、前日連絡の有無)の問題です。数字は「どこの仕組みを直すか」を探すために使う。そう宣言してから始めると、現場も正直な数字を出してくれます。月に1回、3点セットと媒体別の面接単価を見て、翌月のお金の置き場所を決める。この15分の習慣だけで、採用のお金の使い方は確実に変わります。

よくある質問

Q. 面接に来る人数が少なくて、単価が月ごとに大きくぶれます。

A. 小さな会社ではよくあることです。月に面接1〜2人の規模なら、1か月ごとの単価は偶然に左右されます。その場合は3か月まとめて計算してください。傾向を見るのが目的なので、集計の期間は長くてかまいません。大事なのは、毎月同じ数え方で記録を続けることです。

Q. ハローワークなど無料の入り口はどう数えますか。

A. 広告費が0円なら面接単価も0円ですが、面接数の記録は必ず残してください。無料の入り口からどれだけ会えているかが分かると、有料媒体に払うお金の妥当性を比べられます。また、無料でも原稿づくりや対応の手間はかかっています。「タダだから放置」ではなく、無料の入り口こそ原稿を磨く価値があります。

Q. 面接単価はいくらなら合格ですか。相場はありますか。

A. 業界共通の合格ラインを示すのは難しく、地域や職種、時期によっても変わります。他社との比較より、自社の先月・前年との比較を軸にしてください。先月より下がったか、下がった理由を説明できるか。この2つに答えられれば、数字はもう仕事をしています。

Q. 面接単価と採用単価、どちらを見ればいいですか。

A. 両方です。役割が違います。採用単価(広告費÷採用人数)は最終成績、面接単価は途中経過の診断に使う数字です。採用単価が高いとき、原因が「応募が少ない」のか「面接に来ない」のか「面接から採用に至らない」のかを切り分けるために、面接単価が要ります。健康診断でいえば、採用単価が体重で、面接単価は血圧のような途中の数値です。

Q. 面接数を増やすため、応募者を選ばず全員と会うべきですか。

A. 勤務地や必須条件がまったく合わない方まで無理に呼ぶ必要はありません。ただ、書類や電話の印象だけで絞りすぎるのはもったいない。警備業は会ってみると印象が変わる方が多い仕事です。また、厚生労働省の「公正な採用選考」の考え方では、応募者の適性と能力に関係のない事柄で判断しないことが原則とされています。迷ったら会う、が基本姿勢です。

まとめ

応募数は途中経過、面接数が本番前夜、採用数が結果です。面接単価(広告費÷面接に来た人数)を媒体ごとに出せば、お金をかける場所とやめる場所が根拠を持って決められます。下げる順番は、まず歩留まり(折り返しの速さ・近い面接日・前日のひと声・追いかけ)、次に出費の整理。そして会議の報告を3点セットに変える。今日できる一歩は、先月の広告費と面接に来た人数を書き出して、割り算を1回してみることです。単価全体の考え方は警備員の採用単価の計算方法と下げ方をどうぞ。

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