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警備員の面接ドタキャンを減らす方法

落とさない面接応募者への連絡実測データあり

2026年8月26日|はやぶさ採用編集部

面接の日程まで決まったのに、当日その人は来ない——。警備業の採用で、これほど力の抜ける瞬間はありません。私たちの親会社の警備会社で実際に測ったところ、面接を約束した方の約4割が当日に来ませんでした。10人と約束して、会えるのは約6人です。

広告費をかけて応募を集め、電話をつないで、やっと取り付けた面接です。その4割が消えるということは、採用にかけたお金と手間のかなりの部分が、面接の手前で溶けているのと同じです。ただ、先にお伝えしたいのは、ドタキャンは「仕方のないもの」ではないということです。起きる理由には型があり、型に合わせて手を打てば確実に減らせます。まず「普通に起きること」だと知り、応募者を責める代わりに仕組みでふさぐ。この記事では、そのための具体的な手順を順番にお伝えします。

この記事の要点
  • 面接約束の約4割が当日に来ないのは、応募者の人柄ではなく「忘れる・他社で決まる・不安で足が止まる」という仕組みの問題
  • 対策の柱は3つ。①前日と当日の「ひと声」 ②約束から面接までの日数を縮める ③「行きやすい面接」に整える
  • どれもお金をかけずに今週から始められる。決め手は、担当者の気分まかせにせず「全員に必ずやる決まりごと」にすること

ドタキャンは、応募者の人柄の問題ではない

「最近の応募者は無責任だ」と考えたくなりますが、それでは何も変わりません。マイナビの転職動向調査2024年版によると、求職者は平均8.8社に応募し、面接を受けるのは平均3.6社です。つまりあなたの会社の面接日は、応募者のカレンダーの中で「8社と比べられている予定のひとつ」にすぎません。しかも8.8社に応募して面接に行くのが3.6社ということは、応募者の側でも「応募したけれど行かない会社」のほうが多いのが実態だ、ということです。

応募者の側の景色を想像してみてください。今の仕事を続けながら、夜にスマホで何社も応募する。数日のうちに何本も電話がかかってくる。先に感じのよかった会社で採用が決まれば、残りの面接に行く理由はなくなります。面接日まで日が空けば、正直なところ忘れてしまうこともある。そして当日の朝、「場所がよく分からない」「何を持っていけばいいんだっけ」と不安がふくらむと、それだけで足は止まります。

整理すると、ドタキャンを生む穴は3つです。①忘れる ②他社で先に決まる ③不安で足が止まる。悪意で来ないのではなく、この3つの穴に落ちているだけです。だから対策も、この3つの穴をひとつずつふさぐ形で考えれば十分です。次の章から順番に見ていきます。

対策1:前日と当日の「ひと声」を仕組みにする

いちばん効果的で、いちばん簡単なのがこれです。前日に「明日お待ちしています」、当日の朝に「本日の道順はこちらです」。電話でもSMSでもかまいません。大事なのは、担当者の気が向いたときにやるのではなく、全員に必ず送る決まりごとにすることです。

文面は凝る必要はありません。たとえば前日はこんな短い連絡で十分です。「明日15時の面接、お待ちしております。場所は○○ビル3階、持ち物は特にありません。ご都合が変わった場合は、このままご返信ください」。当日の朝は「本日はお気をつけてお越しください。駅からの道順はこちらです」と地図を添える。この2通で、「忘れる」の穴はほぼふさがります。

もうひとつ、このひと声には隠れた効き目があります。前日の連絡に返事が来るかどうかで、来る人と来ない人の見当が前日のうちにつくのです。返事がなければ電話を1本かけて確かめる。それでもつながらなければ、当日の予定を空けたまま待たずに済みます。面接官の待ちぼうけという、いちばん士気の下がる時間を減らせるわけです。

仕組みにするコツは、「誰が・いつ・何を送るか」を紙1枚に書いて事務所に貼ることです。「前日の17時に事務の○○さんがSMSを送る」とまで決めれば、忙しい日でも抜けません。人の記憶力に頼らないことが、そのまま対策になります。

ドタキャンを生む3つの穴と、ふさぎ方
忘れる
→ 前日・当日のひと声で思い出してもらう
他社で決まる
→ 面接日を先延ばしにせず、早く会う
不安で足が止まる
→ 場所・持ち物・所要時間を先に伝える

対策2:約束から面接までの日数を縮める

面接日が1週間先になれば、その間に他社の選考は進みます。応募者の熱も冷めます。「最短でいつ会えるか」から日程を出すのが基本です。私たちの親会社では、応募から13分で最初の電話をかける体制にして、その電話の中でそのまま面接日を決めています。応募直後は、応募者の気持ちがいちばん高い瞬間です。その瞬間に日程まで決めてしまえば、「他社で決まる」の穴に落ちる前に会えます。

日程の聞き方にもコツがあります。「来週あたりでいつが空いてますか」と聞くと、応募者は考え込み、返事が遅れ、そのまま流れがちです。「明日の15時か、あさっての10時はいかがですか」と二択で聞けば、その場で決まります。選択肢を先に出すのは押しつけではなく、相手の考える手間を減らす親切です。

「そんなに早く面接の準備ができない」と思われるかもしれませんが、逆に考えてみてください。1週間かけて準備した面接に4割が来ないのと、明日会って確実に話せるのと、どちらが実りが多いでしょうか。例えば広告費10万円で面接の約束が5人取れても、4割が来なければ実際に会えるのは3人です。会う速さを上げることは、同じ広告費で会える人数を増やすことでもあります。面接は立派な会議室でなくても成立します。まず会うことを最優先に、準備は最小限でいい——この順番の入れ替えが、ドタキャン対策としてはとても大きいのです。面接1回あたりにかかっているお金の考え方は面接単価の記事で詳しく解説しています。

対策3:「行きやすい面接」に整える

応募者は面接そのものに不安を持っています。場所は分かりにくくないか、何を持っていけばいいのか、スーツで行くべきか、どれくらい時間がかかるのか。この不安は、こちらから先に情報を渡せば消せます。「服装は普段着で大丈夫です」「所要時間は30分ほどです」「駅からの道順はこちら」——この3行を約束時の連絡に入れるだけで、面接のハードルはぐっと下がります。

とくに効くのが道順です。「○○駅から徒歩8分」とだけ書かれても、初めての土地では不安が残ります。「南口を出て、コンビニの角を右に曲がると青い看板が見えます」のように、目印つきで書いてあげてください。一度自分のスマホの地図で、応募者になったつもりで会社まで歩いてみると、案内のどこが分かりにくいかがよく分かります。

もうひとつは、当日の受け入れ方を先に伝えることです。「着いたら1階の受付で『面接で来ました』とお伝えください。担当の○○が迎えに参ります」。誰に何と言えばいいかが分かっているだけで、玄関の前で立ち止まる不安は消えます。警備の現場で言えば、初めての現場に入る隊員に、上番前に道順と連絡先を渡しておくのと同じことです。相手が迷わないように先回りする——それだけの話です。

連絡手段を見直し、来なかった人もあきらめない

ひと声の仕組みを作っても、そもそも連絡がつかなければ意味がありません。今の応募者は、知らない番号からの電話には出ないことが珍しくありません。だからこそ、電話・SMS・LINEを組み合わせるのが現実的です。電話は「その場で日程まで決められる」強みがあり、SMSは「電話に出ない人にも文字が届く」、LINEは「地図や写真を送れて、やり取りが残る」。それぞれ持ち味が違うので、電話がつながらなければSMS、約束が決まったらLINEで道順、と使い分けます。詳しくは採用でLINEを使う方法で解説しています。また、かかってきた応募電話を取りこぼしている場合は、面接以前の問題です。応募電話に出られないことの損もあわせてお読みください。

そして、来なかった人を切り捨てないことです。無断で来なかった方の中には、「気まずくて連絡できなかっただけ」の人が一定数います。当日の夕方に一度だけ、責めない文面で連絡してみてください。「本日はご都合がつかなかったでしょうか。別の日でも大丈夫ですので、よろしければご返信ください」。この一通で戻ってくる人は、決して珍しくありません。一度は御社に応募してくれた方です。連絡一本の手間で戻るなら、新しい応募者を広告で集め直すよりずっと安く済みます。

さらに言えば、約束の時点で「行けなくなったら、ひと言もらえれば大丈夫ですよ」と先に伝えておくのも効きます。応募者は「キャンセルの連絡をしたら怒られるのでは」と思って黙って消えることがあります。連絡してよいのだと分かっていれば、無断キャンセルが「日程変更の連絡」に変わります。日程変更なら、まだ採用のチャンスは残っています。

よくある質問

Q. 前日の連絡は、電話とSMSのどちらがよいですか?

迷ったらSMSをおすすめします。仕事中で電話に出られない人にも届き、文字で残るので読み返せるからです。そのうえで、前日の連絡に返信がない方にだけ電話をかける、という二段構えにすると手間も少なく確実です。

Q. 面接日はどのくらい先までなら大丈夫ですか?

できれば2〜3日以内、遅くとも同じ週のうちに会うのが目安です。日が空くほど「他社で決まる」「忘れる」の穴が大きくなります。どうしても先になる場合は、間に一度「お待ちしています」の連絡を挟んでください。

Q. ドタキャンした人に、もう一度連絡してもよいのでしょうか?

かまいません。ただし一度だけ、責めない文面で送るのがコツです。「別の日でも大丈夫です」と逃げ道を作ってあげると、気まずさで消えていた人が戻ってきます。返信がなければ、それ以上は追わずに次へ進みましょう。

Q. 「無断キャンセルは必ず連絡してください」と強く言えば減りますか?

強い言い方は逆効果になりがちです。応募者はまだあなたの会社の一員ではなく、比べている途中のお客さまに近い立場です。「行けなくなったらひと言もらえれば大丈夫」と柔らかく伝えるほうが、結果として連絡は増えます。

Q. リマインドを送る余裕がありません。何から始めればよいですか?

まず前日のSMS1通だけに絞ってください。文面をひな型にしておけば、1人あたり1分もかかりません。それでも手が回らないなら、応募対応の体制そのものを見直す時期かもしれません。採用がうまくいかない3つの理由が整理の助けになります。

Q. 対策をすれば、ドタキャンはどのくらい減りますか?

会社の状況によるので、数字の約束はできません。ただ、約4割という当日不参加の多くが「忘れる・他社で決まる・不安」という手当て可能な理由で起きている以上、3つの対策を決まりごとにすれば、体感できる差は出ます。まず1か月、全員に必ずやってみて、来た人数を数えてみてください。

まとめ:責めるより、仕組みでふさぐ

ドタキャンをゼロにはできません。ただ、①前日・当日のひと声 ②早く会う ③行きやすくする、の3つを仕組みにすれば、確実に減らせます。どれも今週から、お金をかけずに始められることばかりです。ポイントは、担当者の善意や記憶力に頼らず、「全員に必ずやる決まりごと」にまで落とすこと。紙1枚に手順を書いて貼るところから始めてください。

そもそも面接の約束までたどり着けていない場合は、応募が来ても面接につながらない警備会社の共通点を先にどうぞ。採用全体のお金の話は警備員の採用単価の計算方法と下げ方で解説しています。

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